「106万円の壁」が10月1日に撤廃|パート・アルバイトと働く管理職が9月中に確かめたいこと

「106万円の壁」が10月1日に撤廃|パート・アルバイトと働く管理職が9月中に確かめたいこと

10月1日から、パート・アルバイトの社会保険加入のルールが変わります。いわゆる「106万円の壁」、月額8.8万円という賃金要件が撤廃されるためです。手続き自体は人事や総務が進める話ですが、影響を最初に受け止めるのは、シフトを組み、メンバーと日々顔を合わせている管理職です。施行まで残り2週間、9月のうちに何を確かめておけばいいのかを整理します。

ニュースの概要

2025年6月に公布された年金制度改正法(令和7年法律第33号)にもとづき、2026年10月1日から、短時間労働者が社会保険に加入する要件のうち「賃金が月額8.8万円以上」という条件がなくなります。残る要件は、週の所定労働時間が20時間以上であること、2か月を超えて雇用される見込みがあること、学生でないこと、そして勤め先の企業規模です。

企業規模の要件は当面「厚生年金保険の被保険者が51人以上」のままで、2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上と段階的に引き下げられ、2035年10月に撤廃される予定です。つまり今回まず影響を受けるのは、51人以上の事業所で週20時間以上働いているスタッフということになります。

管理職にとってのポイント

  • 自分のチームで「週20時間以上」働いているのは誰か。賃金の条件がなくなるため、これまで時給や勤務時間の兼ね合いで対象外だった人が、新たに対象になる可能性があります。
  • 手取りが変わる人が出ます。制度の説明は会社が行うものですが、「聞いていない」と最初に言われるのは直属の上司です。会社の案内がいつ、どんな形で出るのかを先に押さえておくと動きやすくなります。
  • 秋から年末は、もともと就業調整が起きやすい時期です。働く時間を減らしたい人と、加入を前提に増やしたい人が同時に出ると、シフトは揺れます。
  • 加入対象かどうかの判断を、現場でひとりで抱えないこと。制度の線引きの話なので、即答せず人事や社会保険労務士に確認する道筋を決めておくと安心です。

えんのした編集部の視点

制度が変わるたびに、管理職には「説明する人」の役割が静かに乗ってきます。決めたのは自分ではないのに、納得のいかない気持ちを最初に向けられるのは現場、という構図です。ここで消耗しないために大切なのは、答えを全部自分で持とうとしないことだと思います。「制度の案内は会社が出す」「自分が引き受けるのはシフトの調整まで」と、引き受ける範囲をあらかじめ決めておくだけで、受け止め方はずいぶん変わります。

そのうえで、9月のうちにできる現実的な一手は、チームの勤務時間を一覧でざっと眺めておくことくらいで十分です。制度を完璧に理解する必要はありません。「誰に影響しそうか」の見当がついているだけで、10月に話が動いたときの慌ただしさはかなり減ります。備えるというより、当たりをつけておく。それくらいの温度で構えておければ十分です。

出典

人気記事