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「週末にしっかり寝たのに、月曜の朝にはもう疲れている」
「家に帰っても、頭の中で仕事の会話が続いている」
そんな疲れ方をしていませんか?
管理職の疲れは、体を休めるだけでは取れにくいものです。疲れの多くは体ではなく、判断と気持ちの使いすぎから来ています。原因ごとに休み方を変えると、同じ休日でも回復の仕方が変わってきます。
管理職の疲れは、寝ても取れにくい種類の疲れ
管理職が「疲れた」と感じるとき、その中身は体の疲れより、頭と気持ちの疲れであることが多いです。
担当者のころは、忙しくても仕事が終われば一日が区切れました。しかし管理職になると、会議の合間にも部下から判断を仰がれ、帰り道でも部下や上司とのやり取りを思い返してしまう、なんて方も多いでしょう。体は休んでいるつもりでも、頭と気持ちは一日中働き続けているのです。
体の疲れは、眠れば回復しやすいものです。一方、頭と気持ちの疲れは、仕事のことを考え続けているかぎり、横になっていても回復しにくくなります。休日に寝だめをしても月曜日に疲れが戻ってしまうのは、このためです。
次のような状態に心当たりがあれば、体よりも頭や気持ちが疲れているサインかもしれません。
- 夕方になると、簡単なことも決められない:昼食のメニューや返信の文面のような小さなことに、時間がかかる。
- 休日も仕事の会話を思い返す:上司に言われた一言や、部下への伝え方を何度も考え直してしまう。
- 人と話すのがおっくうになる:家族や友人との会話でも、相づちを打つのがしんどい。
- 寝ても朝からだるい:睡眠時間は足りているはずなのに、疲れが抜けない。
疲れの原因が違えば、効く休み方も違います。管理職の疲れが「寝ても取れない」のは、休み方が疲れの種類に合っていないことが多いのです。
管理職が疲れる主な3つの原因
1. 一日中、判断を任され続ける
「この見積もり、この金額で出していいですか」「来週の打ち合わせ、どちらの日程にしますか」。管理職のもとには、部下だけでは決められない案件が一日に何十件も届きます。一つひとつは小さな判断でも、毎回「どちらが正しいか」「誰にどう影響するか」を考えなければなりません。
人は、1日に約3万5,000回もの判断をしているともいわれます。そして、判断の数が増えるほど、意思決定の能力も低下していくといわれています。
管理職は特に判断の数が増えやすい立場です。判断が続けば、だんだん考えること自体が億劫になっていくでしょう。朝なら迷わず決められたことが、夕方にはなかなか決められない。「とりあえず保留にしよう」が増えて、翌日の仕事がさらに積み上がる。
管理職の疲れが夕方に一気に出やすいのは、このように判断の回数が積み重なっているからです。
2. 上にも下にも、気持ちを抑え続ける
上司から無理のある目標を伝えられても、その場では「分かりました」と答える。部下に厳しいことを伝えたあとも、表情には出さずに次の会議に向かう。管理職は、自分の気持ちを抑えて、立場にふさわしい態度をとり続けなければなりません。
気持ちを抑えること自体が、かなりの力を使います。しかも、抑えた気持ちはその場では消えません。帰宅後や休日になってから「あのとき、こう言えばよかった」と頭の中でやり取りを繰り返し、休んでいるはずの時間まで疲れが続いてしまいます。部下には弱音を吐けず、上司に話せば評価が気になるため、気持ちの出し先がないことも疲れを長引かせます。
あわせて読みたい管理職で人間関係が苦しい…つらくなる理由と状況から抜け出す対策上司・部下・同僚との人間関係を整える方法はこちら。3. 仕事に切れ目がない
多くの管理職は、マネジメントだけでなく、自分の担当業務も抱えています。産業能率大学総合研究所の調査(2019年)では、上場企業の課長714人のうち98.5%がプレイヤーとしての仕事を兼ねていました。
自分の仕事に集中しようとすると部下から声がかかり、相談に乗っていると自分の仕事が止まる。日中に進められなかった仕事は夜や休日に回り、スマートフォンには時間に関係なく連絡が届きます。仕事と休みの境目がなくなると、回復のための時間そのものが取れなくなります。
管理職の疲れを原因別に減らす5つの対策
1. 判断の疲れには「決めることを減らす」
判断の疲れを減らすには、休むより先に、決める回数そのものを減らすほうが効果的です。
まずは、部下が毎回確認してくる案件を書き出してみてください。そのうち、条件を決めれば部下に任せられるものがないか探します。「10万円以下の発注は、相見積もりを取っていれば事後報告でよい」「日程調整は、先方の希望を優先して決めてよい」のように基準を先に伝えておけば、同じ相談は届かなくなります。
判断の時間帯も工夫できます。重い判断は、頭がまだ疲れていない午前中に回しましょう。夕方に持ち込まれた判断は、急ぎでなければ「明日の午前に返事をします」と答えて構いません。疲れた状態で決めて、翌日やり直すより、そのほうが結果的に早く片づきます。
2. 気持ちの疲れには、寝る前の5分で頭の外に出す
休日も仕事の会話を思い返してしまうのは、気持ちの整理がついていないからです。考えないようにしようとするほど、かえって頭から離れなくなります。
おすすめは、寝る前の5分で、気になっていることを紙に書き出す方法です。書くのは次の3つだけで構いません。
- 何があったか:起きた出来事を、事実だけ1行で書く。
- どう感じたか:「悔しかった」「言い返したかった」など、気持ちをそのまま書く。
- 次にどうするか:明日できることを1つだけ書く。何もなければ「様子を見る」でよい。
「次にどうするか」まで書くと、頭が「この件は片づいた」と区切りをつけやすくなります。
書くだけでは整理しきれないときは、利害関係のない相手に話すことも大切です。社内で話せる相手がいなければ、国内最大級のオンラインカウンセリングサービス【Kimochi】
のようなオンラインカウンセリングを使う方法もあります。無料で相談できる公的な窓口は、厚生労働省のこころの耳です。
3. 切れ目のない疲れには、休みの間の連絡ルールを決める
休日や夜に連絡が来る状態では、通知が鳴っていない時間も「いつ来るか」と身構えてしまいます。自分一人が我慢するより、チームで連絡のルールを決めておくほうが確実に休めます。
たとえば、次のように決めておけば、部下も迷わずに済むはずです。
<例文>
「休日の連絡は、お客様に影響が出る緊急のものだけ電話でお願いします」
「それ以外はチャットに残しておいてもらえれば、月曜の朝に確認します」
ルールを決めたら、自分も休日にはチャットを開かないようにしましょう。管理職が休日に返信していると、部下も「休日でも返したほうがいい」と受け取ります。管理職が休みを守ることが、チーム全体の休みやすさにつながります。
あわせて読みたい「管理職だから休めない」は本当か?休めない5つの理由と休むための具体策休めない理由と、休むための具体策はこちら。4. 休日は「何もしない」より「仕事を忘れる時間」をつくる
頭と気持ちの疲れは、ただ横になっているだけでは取れにくいものです。家でごろごろしていると、かえって仕事のことを考える時間が増えてしまいます。
回復につながりやすいのは、仕事のことを考える余地がなくなるくらい、別のことに集中する時間です。体を動かしたり料理をしたりと、手や体を使うことが向いています。時間は長くなくてもよく、半日のうち2時間だけでも、仕事から頭が離れる時間をつくってみてください。
休日の予定は、仕事の予定と同じようにカレンダーに先に入れておくのがコツです。空いている時間のままにしておくと、ついメールの確認や資料作りで埋まってしまいます。
5. 疲れの度合いを、チェックリストで確かめる
疲れが続いていても、「みんな同じくらい忙しい」「自分だけが弱音を吐くわけにはいかない」と、自分の疲れを軽く見積もってしまう管理職は少なくありません。
自分の状態を確かめるには、厚生労働省の疲労蓄積度自己診断チェックリストが役立ちます。2023年に改正されたもので、こころの耳のサイトではWeb版のセルフチェックもできます。最近1か月の自覚症状と働き方を答えると、疲れがどのくらいたまっているかの目安が分かります。
また、管理職であっても、長時間労働をした場合には医師の面接指導を受けられます。厚生労働省の資料では、管理監督者を含むすべての労働者について、会社が労働時間の状況を把握する必要があるとされています。時間外・休日労働が月80時間を超えて疲労がたまっている人が申し出れば、会社は医師による面接指導を行わなければなりません。
管理職の疲れが続くなら、休むことと環境を変えることも考える
対策を試しても、次のような状態が2週間以上続く場合は、医師や産業医に相談してください。
- 眠れない、または夜中に何度も目が覚める
- 食欲が落ちている
- 朝、会社に行こうとすると体が動かない
- 好きだったことを楽しめなくなった
不調かどうかの判断は、専門家の領域です。自分で決めつけず、早めに相談することで、休職を含めた選択肢を考えられます。
疲れの原因が、人手不足や無理な目標など、職場の仕組みにあることもあります。その場合、本人の工夫だけで疲れを減らすのは難しいでしょう。役職を降りる制度があるかを人事に確認するほか、現状の職場に満足できていないなら、新しい環境に変えてみるのも一つです。30・40代管理職・専門職のグローバルキャリアを拓く転職エージェント【Samurai Job】
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まとめ
管理職が疲れる原因は、次の3つです。
- 一日中、判断を任され続ける
- 上にも下にも、気持ちを抑え続ける
- 仕事に切れ目がない
どれも、体ではなく頭と気持ちを使い続けることで起きる疲れです。寝るだけでは取れにくいため、5つの対策から原因に合うものを選び、休み方を変えてみてください。
今日できることを1つ選ぶなら、寝る前の5分で、今日いちばん気になったことを「何があったか」「どう感じたか」「次にどうするか」の3行で書き出してみてください。

