マネージャーを続けるメリットはある?継続すべきか迷ったら

マネージャーを続けるメリットはある?継続すべきか迷ったら

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責任は増えたのに、良くなったことが思い浮かばない。このままマネージャーを続けて意味があるのか。

そのように迷っている人も少なくないでしょう。いまそれを感じられないのは、多くのメリットが、続けた期間と任された権限に応じて後から効いてくるものだからです。負担は就任した日から来ますが、メリットは遅れて届きます。

この記事では、マネージャーを続けるメリットが本当にあるのかと悩む方に向けて、継続すべきか判断するためのヒントをお届けします。

マネージャーのメリットを感じない理由

メリットを感じられない時期には、次のような状態が重なっていると考えられます。

  • 負担が先に来る:部下の相談、上からの要求、評価面談。増えた仕事は初日から目の前にある。
  • 手取りの差が思ったより小さい:役職手当は増えたが、残業代がなくなり、差し引きで大きく変わらない。
  • 決められる範囲がまだ狭い:責任は持たされたのに、人員も予算も上の承認が要る。
  • 成果が数字に出にくい:トラブルを防いだ、チームを支えた、という仕事ほど評価に表れない。

実際に続けている人は、何をメリットとして挙げているのでしょうか?ALL DIFFERENTの管理職意識調査では、「管理職になって良かったこと」の上位は次のとおりでした。

  • 意思決定に関与できるようになった:51.5%
  • 仕事の裁量が増えた:48.2%
  • 収入が増えた:46.8%
  • 部下の成長や成功を喜べるようになった:42.0%
  • 経営視点が養われた:41.2%

研修の受講者が対象なので前向きな層に寄っている可能性はありますが、半数前後の人が何らかのメリットを実感しています。メリットがないのではなく、まだ受け取れていない。いま迷っている人の多くは、この段階にいます。

マネージャーを続けるメリット

マネージャーを続けて得られるものは、どれも在任期間が長くなるほど大きくなります。就任して間もない時期に実感しにくいのは、そのためです。

マネージャーを続けるメリットはあります。具体的には次の5つです。

  • 収入を積み上げていける
  • 職場のやり方を自分で決められる
  • 社外でも通用する経歴ができる
  • 人が育つ過程に関われる
  • 組織が動く仕組みを知ることができる

1. 収入を積み上げていける

金額は、統計で見るかぎり確実に上がります。

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査によると、役職別の所定内給与額(男女計)は課長級が529.2千円、非役職者が310.5千円でした。月218.7千円、年間では260万円を超える差です。

ただし就任直後は、この差を実感しにくいものです。管理監督者に当たる場合は時間外・休日の割増賃金が出なくなるため、担当者時代に残業代を多く受け取っていた人ほど、差し引きで縮みます。

それでも続ける意味があるのは、処遇が一度きりではなく積み上がるからです。役職等級が上がれば、以降の昇給や賞与の算定基礎もそこから始まります。会社によっては退職金の計算にも役職期間が反映されるので、自社の給与規程を一度確認してみてください。

なお、管理監督者であっても深夜(22時〜翌5時)の割増賃金は支払う必要があると、厚生労働省の労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のためにに明記されています。深夜まで働いた月の給与明細は、確認しておく価値があります。

あわせて読みたい管理職になってもメリットはない?メリットを感じない理由や本当にメリットがないのか確かめる方法残業代を差し引いたとき、自分の場合はどうなるのか。計算の手順をまとめています。

2. 職場のやり方を自分で決められる

マネージャーになると、担当者のときに「おかしい」と思っていたことを、自分の判断で直せるようになります。

担当者の立場では、次のようなことは決め事は変えるのがなかなか難しい状況でした。

  • 非効率な定例会議
  • 二重になった承認ルート
  • 特定の人に偏った担当

マネージャーになると、その一部が自分の管理下に入ります。会議の頻度を変えたり、担当の割り振りを見直したりといった判断を、自分で下せるようになる。小さなことでも、自分で決めて変えられる感覚は、仕事の納得感を大きく変えます。

この範囲は、続けるほど広がります。任せた判断がうまくいけば、次はもう一段大きな判断を任される。上司からの信頼は、在任期間と実績に比例して積み上がるものです。就任1年目で決められる範囲が狭いのは、珍しいことではありません。

ただし、何年たっても決裁権が渡されない職場もあります。前掲の厚生労働省の資料では、管理監督者に当たるかどうかの判断要素として、重要な職務内容と責任・権限を持っているかが挙げられています。人員も予算も動かせないまま責任だけがある状態は、このメリットが制度上も渡されていないということです。

3. 社外でも通用する経歴ができる

マネジメント経験は、会社を離れても持ち出せる数少ない資産のひとつといえます。

職務経歴書に書けるのは、たとえば次のような実績です。

  • 何人のチームを率いたか
  • どの規模の予算を管理したか
  • 評価や育成で、誰がどう変わったか
  • 採用や配置に、どこまで関わったか

担当者としての実績は業界や商材に紐づきやすい一方、マネジメントの実績は業界をまたいで評価されやすいという特徴があります。

ここで効いてくるのが在任期間です。就任して間もないうちは、書ける実績がまだ少ない状態です。チームの成果が出るまで、あるいは育てた部下が独り立ちするまで続けてはじめて、経歴として語れる材料がそろいます。

一方で、同じ経験を評価する会社としない会社があります。社内の等級が上限に達していれば、どれだけ実績を積んでも処遇は動きません。いまの会社で先が見えないと感じているなら、経験を正当に評価する環境に転職するのも一つの方法です。

例えば、30・40代管理職・専門職のグローバルキャリアを拓く転職エージェント【Samurai Job】 では、30代・40代の管理職・専門職向けの求人を扱っています。マネジメント人数や担当予算の規模といった条件から探せるので、自分の経験が社外でどう評価されるのかも見えてきます。

4. 人が育つ過程に関われる

自分が任せた仕事を、部下がやり切って戻ってくる。
半年前は相談ばかりだった人が、自分で判断して報告だけしてくるようになる。
1on1で話した悩みが、自身の力で解消できていたと知る。

自分の成果ではなく、他人の成長が自分の仕事の成果になるという感覚は、マネージャーにしか持てないものです。

このメリットは、とくに時間がかかります。育成の成果が見えるのは、早くても数か月、多くは年単位です。就任して1年未満で「部下が育つ喜びなんて感じない」と思うのは自然なことで、まだ見える時期に来ていないだけかもしれません。

注意したいのは、忙しさのあまり自分で仕事を引き取り続けていると、このメリットは永遠に届かないことです。仕事を任せないかぎり、部下は育ちません。

あわせて読みたいマネージャーは何が楽しい?やりがいが宿る3つの場所と見つけ方マネージャーの仕事の楽しさについては、こちらで詳しく扱っています。

5. 組織が動く仕組みを知ることができる

担当者のときに理解できなかった会社の判断に、理由があったと分かるようになります。

たとえば、担当者のときに次のような疑問を持ったことはないでしょうか。

  • なぜこの時期に予算が絞られるのか
  • なぜ欠員が出ても人が増えないのか
  • なぜこの評価制度なのか

マネージャーになると、人件費の考え方や部門間の予算配分、経営陣が見ている数字が少しずつ入ってきます。担当者時代に却下された提案も、振り返れば理由が見えてくるはずです。予算の締め時期に重なっていた、承認者が見ている指標に結びついていなかった、といった具合です。

これは、どの立場に移っても使える力です。組織の動き方が分かると、通りやすい提案の出し方が分かります。上司を説得する材料の選び方も変わってくるでしょう。仮に将来マネージャーを降りて専門職に戻ったとしても、この視点を持っている担当者は、持っていない担当者より確実に動きやすくなります。

マネージャーを続けるか迷ったときの判断基準

判断の軸は、「メリットを受け取れる環境か」と「心身が続けられる状態か」の2つです。

1. 5つのメリットを、いまどれだけ受け取れているか

次の5つの問いに、いまの自分で答えてみてください。

  • 処遇:時間あたりに直しても、担当者時代より上がっているか
  • 裁量:この半年で、自分の判断で変えられたことが1つでもあるか
  • 経歴:職務経歴書に書ける実績が、就任時より増えているか
  • 育成:任せた仕事で、部下ができるようになったことがあるか
  • 視点:上の意思決定の理由を、以前より説明できるようになったか

いくつかに「はい」と答えられるなら、メリットは届き始めています。すべて「いいえ」でも、就任1年未満なら時期の問題かもしれません。1年以上たってすべて「いいえ」なら、個人の努力ではなく環境の問題である可能性が高いと考えてよい段階です。

2. 心身的にマネージャーを続けられる状態か

メリットの計算より先に確認してほしいのが、こちらです。

次のような変化が2週間以上続いているなら、続けるかどうかの判断は後回しにして、産業医や社内の相談窓口につないでください。

  • 眠れない日が続く
  • 休日に回復しない
  • 以前は気にならなかったことに強く反応する

時間外・休日労働が月80時間を超えて疲労が蓄積している場合は、管理監督者であっても本人の申出で医師の面接指導を受けられます。

社内に話せる相手がいないなら、社外の窓口を使うのも一つの手です。国内最大級のオンラインカウンセリングサービス【Kimochi】 のようなオンラインのカウンセリングは、結論を出す場ではなく、頭の中にあるものを言葉にする場として使えます。

あわせて読みたいマネージャーがきついのはなぜ?原因と今週から軽くする4つの方法きつさの原因と、今週から軽くするための方法をまとめています。

3. 1年後も同じ状態が続きそうか

いまの状態が一時的なものかどうかも、判断を左右します。

欠員が埋まる予定がある、体制の見直しが決まっている、といった見通しがあるなら、それまで続ける意味は十分にあるはずです。逆に、上司に相談しても何も変わらない、同じ状況が何年も続いている、という場合は、待っていても変わらない可能性が高いといえます。

あわせて読みたい「管理職を辞めたい」と思ったら|役職を降りる・会社を辞める、どちらを選ぶかの決め方辞めたいのが役職か会社かを切り分ける方法はこちら。

まとめ

いまマネージャーのメリットが見いだせないのは、多くのメリットが続けた期間と任された権限に応じて後から効いてくるものだからかもしれません。負担は先に、メリットは遅れてくるものです。

続けるかどうかは、メリットを受け取れる環境か、心身が続けられる状態か、の2つで判断してみると良いでしょう。1年以上たっても5つのうち1つもメリットを受け取れていないなら、環境の問題である可能性が高いといえます。

今日できることを1つ選ぶなら、判断基準の5つの問いに答えてみるところからで十分です。「はい」が1つでもあれば、それが続ける理由の手がかりになります。

出典

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