管理職はなぜ大変?原因と対策|量ではなく領域の数で考える

管理職はなぜ大変?原因と対策|量ではなく領域の数で考える

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「管理職って大変」と思われている方も多いと思います。しかし、いざ「何が大変なの?」と聞かれたときに、具体的に答えられない方は多いかもしれません。

残業時間で言えば、前の部署のほうが長かったかもしれない。それでも今のほうが明らかに消耗している。

この差を説明するのは、意外と難しいものです。

管理職の大変さは、一つひとつの仕事の重さではなく、扱う領域の数から来ています。この記事では、その中身を棚卸しして、減らせる部分と伝え方を整理しました。

管理職が大変な理由

仕事量ではなく業務領域が増えている

プレイヤー時代の忙しさは、同じ種類の仕事が積み上がる形でした。量は多くても、頭の使い方は一定です。

管理職になると、これが変わります。

午前中に予算の数字を見て、
昼に部下の評価面談をして、
午後に他部署とトラブルの調整をして、
夕方に採用面接に入る。

一つひとつは短くても、そのたびに考え方の切り替えが発生します。

この頭の切り替えは、作業時間には現れません。だから「働いた時間のわりに疲れている」という感覚になります。大変さが説明しにくいのは、ここに理由があります。

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社会全体の環境変化が起きている

産業能率大学が2023年に実施した「第7回 上場企業の課長に関する実態調査」では、コロナ禍前の2019年と比べた職場の状況について、次のような回答が出ています。

  • コンプライアンスが厳しくなっている:49.3%
  • 知識やスキルの更新が常に求められている:44.4%
  • 社員の平均年齢が上がっている:38.4%
  • 業務量が増えている:38.3%

(「あてはまる」「ややあてはまる」の合計)

業務量の増加より、コンプライアンスと知識更新のほうが高い数字になっています。つまり、同じ仕事をしていても、気をつけるべきことと覚えるべきことが増えているということ。これは時間で測れない負荷です。

単純に業務時間が増えている

「大変」と感じるのは、単純に感覚だけの話ではありません。厚生労働省が労働政策審議会に提出した資料では、令和4年の労働安全衛生調査をもとに、1か月の時間外・休日労働が80時間を超えた月があった人の割合が示されています。

管理的職業従事者は4.1%。
全職種の平均は1.5%でした。

差は約2.7倍です。管理職は長時間労働の側に偏っている、というのが統計からわかります。自分だけがうまく回せていない、という話ではないのです。

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管理職が大変と思った際にまずやること

管理職の仕事が大変と感じた場合は、まず「何が大変なのか」を可視化してみることが大事です。自分が何を持っているかは、意外と並べてみないと分かりません。まずは、自分の持っている業務をすべて書き出してみましょう。

管理職が受け持つことの多い領域を例として挙げてみます。

  • 自分自身のプレイング業務
  • 部下の進捗管理と判断
  • 評価、面談、フィードバック
  • 育成計画と指導
  • 採用(面接、選考の判断)
  • 予算と数値の管理
  • 上への報告と資料作成
  • 他部署との調整
  • 勤怠や休暇といった労務管理
  • ハラスメントを含む相談対応
  • トラブル発生時の対応

こうして挙げてみても、専門性の異なる仕事を、一人で兼務している状態ということがわかります。

しかし、一般の社員から見ると、このうち見えているのは2つか3つくらいでしょう。周りから見れば、「なんだかよくわからないけど忙しそう」のように見えるかもしれません。説明しても伝わりにくいのは、そのためです。

管理職の大変さを減らす3つの手順

先に書き出した業務内容をもとに、以下の方針に沿って大変さを緩和できなか検討していきましょう。

1. まとめる

種類の多さが負荷になるなら、切り替えの回数を減らすのが先です。同じ種類の仕事を、できる限り時間帯で束ねてみてください。

面談は水曜の午後にまとめる、数字の確認は月曜の朝だけ、他部署対応は午後に寄せる。一日に切り替える回数が減るだけで、同じ量でも体感は変わります。

2. 減らす

まず見直すのは会議と報告です。出席しているだけの会議、議事録を読めば足りる会議、形式だけの週次報告。

「これをやめたら誰が困るか」を一つずつ確認してみてください。答えが出てこないものは、たいてい止められます。

3. 渡す

任せられないと感じている仕事の多くは、任せる基準が決まっていないだけです。金額や影響範囲で線を引き、「失敗しても取り返せるもの」から渡してください。

渡すときは、判断基準もセットにします。「この範囲なら決めていい、超えたら相談」。基準がないまま渡すと、確認のやりとりが増えて逆に手間が増えます。

管理職が大変と思った時にやらないほうがいいこと

  • 大変さを、他の管理職と比べて正当化する
  • 全部の領域を、同じ品質でやろうとする
  • 削る候補を出さないまま、増員だけを求める
  • 「自分がやったほうが早い」で抱え直す

とくに2つ目は負荷になりやすいポイントです。責任感が強い人だと、どうしてもどれも100点を取らなければと思ってしまうかもしれません。しかし、全領域を同じ品質でこなそうと頑張り過ぎれば、必ずどこかに限界がきてしまいます。すべてに同じ力を配るのは、そもそも設計として無理があります。

大事なのは、どこを手厚くして、どこを最低限にするかを、きちんと決めることです。それこそが、本当に管理職がやるべきことといえます。

それでも大変さが変わらないと感じたら

工夫できる範囲を超えている場合、個人ではなく体制の問題です。人員が足りていない組織では、誰が管理職でも同じ結果になります。

いまの負荷が標準的なのかどうかは、社内にいるだけでは判断できません。転職エージェントに現状を話すと、同じ職位がどういう体制と条件で募集されているかが分かるかもしれません。30・40代管理職・専門職のグローバルキャリアを拓く転職エージェント【Samurai Job】 のように、管理職層を扱うサービスもあります。動くつもりがなくても、自分の状況を測る物差しにはなります。

あわせて読みたいマネージャーを続けるメリットはある?継続すべきか迷ったら続けるかどうか迷ったときの判断基準はこちら。

まとめ

管理職が大変なのは、一つの仕事が重いからではありません。専門性の異なる領域を10前後も兼務していて、一日に何度も頭を切り替えているからです。

背景には環境の変化もあります。コンプライアンスの厳格化を挙げた課長は49.3%、知識やスキルの更新を求められていると答えた課長は44.4%。時間の面でも、月80時間超の残業を経験した割合は管理的職業従事者で4.1%と、全職種平均の約2.7倍でした。

打ち手は、まとめる・減らす・渡すの3つです。そのうえで、持っている領域を一覧にして会社に渡してください。感覚ではなく構造の話にすると、扱われ方が変わります。

出典

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