「管理職を辞めたい」と思ったら|役職を降りる・会社を辞める、どちらを選ぶかの決め方

「管理職を辞めたい」と思ったら|役職を降りる・会社を辞める、どちらを選ぶかの決め方

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「もう管理職を辞めたい」

「この会社にいる意味が分からなくなってきた」

一度そう思うと、その考えは簡単には消えません。日々の業務をこなしながら、頭の片隅でずっと同じことを考えている。管理職にはよくある状態です。

ただ、「辞めたい」という言葉は、実はかなり曖昧です。役職を降りたいのか、この会社を出たいのか、それとも一度休みたいのか。ここを分けないまま動くと、辞めたあとに同じ状況を繰り返すことになります。

この記事では、まず何を辞めたいのかを切り分け、そのうえで選択肢ごとにやることを整理しました。辞めることを勧める内容でも、引き止める内容でもありません。

「管理職を辞めたい」人は2割弱

リクルートマネジメントソリューションズが2026年2月に発表した「管理職のあり方に関する実態調査」によると、「続けたくない」と回答した方が5.3%、「どちらかといえば続けたくない」と回答した方が10.6%という結果でした。つまり、約15%の方が「管理職を辞めたい」と思っているということになります。

注目したいのは、その差がどこから来ているかです。同調査では、孤独感が低い層の継続意向が70.2%だったのに対し、孤独感が高い層では40.6%まで下がっています。組織からの支援を感じられているかどうかでも、65.2%と41.6%という開きがありました。

つまり「辞めたい」は、能力や適性の問題として現れているように見えて、支援と孤独の問題であることが少なくありません。この視点は、あとで選択肢を考えるときに効いてきます。

まず切り分ける:辞めたいのは管理職という役職か、会社か

「管理職を辞めたい」という中身は、大きく以下の3つに分かれます。

1. 管理職という役割を辞めたい

人の評価をすること、板挟みになること、自分の手を動かせないこと。仕事の内容そのものより、管理職(マネジメント)という役割そのものが合わないと感じている状態です。

この場合、会社を変えても管理職として採用されれば同じことが起きます。変えるべきは勤め先ではなく役割です。

あわせて読みたい「管理職に向いていない」と感じる人へ|適性の問題と環境の問題を切り分ける「向いていない」と感じている場合は、こちらも参考にしてください。

2. この会社を辞めたい

マネジメント自体に抵抗はないが、いまの会社の方針、評価のされ方、人員配置に納得できない。役割ではなく環境に問題があるパターンです。

見分け方はひとつあります。「同じ役職を、別の会社でやるなら続けられるか」と自分に聞いてみてください。続けられると思うなら、辞めたい対象は会社のほうです。

3. 一度、働くこと自体から離れたい

どちらとも言えず、とにかく何も考えたくない。朝起きるのがつらい、休日も回復しない、食欲がない。こうした状態が続いているなら、3つ目に当てはまります。

この段階では、役職の話も転職の話も後回しです。判断そのものを保留してください。理由は後半に書きます。

あわせて読みたい「管理職はもう無理」と感じたら|3つの段階に分けて、いま何をするかを決める心身が限界に近いと感じているなら、段階の見分け方をこちらで。

「管理職」という役職を降りたい場合

制度があるかを先に確認する

管理職から外れる仕組みは、思っているより用意されています。専門職コースへの転換、役割等級の変更、部署異動。会社によって呼び方は違いますが、制度の有無は人事に聞けばその日のうちに分かります。

「前例がない」と言われることもありますが、前例がないことと、できないことは別です。まず事実を確認してください。

降りたあとの条件も先に聞いておく

役職を外れれば、多くの場合は手当がなくなります。評価上の扱いや、その後の昇進機会が変わることもあります。

ここを曖昧にしたまま決めるのは避けたいところです。下がる分がいくらで、何が変わるのかを数字で確認してから判断してください。感覚で「たぶん厳しくなる」と考えているだけの場合、実際に聞いてみると想定と違うこともあります。

伝えるときは、理由より状態を話す

上司に切り出すとき、辞めたい理由を並べると反論の材料になります。「マネジメントが向いていない」と言えば「まだ経験が足りないだけだ」と返ってきます。

そうではなく、いま起きている状態を話すほうが進みます。稼働時間、抱えている案件数、判断待ちの件数。事実を示すと、議論が精神論から離れます。

管理職を辞めたいのではなく、会社を辞めたい場合

外の条件を知ってから決める

いまの環境がどの程度特殊なのかは、社内にいるだけでは分かりません。待遇も、求められる役割も、比較対象がなければ評価できないからです。

転職エージェントに現状を話すと、同じ職位の求人がどういう条件で出ているかが分かります。30・40代管理職・専門職のグローバルキャリアを拓く転職エージェント【Samurai Job】 のように、管理職層を扱うサービスもあります。すぐに動くつもりがなくても、判断材料としては使えます。

外を見た結果、いまの会社のほうが条件がよいと分かることもあります。それも十分な収穫です。

辞める理由を、自分の言葉で一度書く

面接で聞かれるからではありません。書いてみると、自分が本当に嫌がっているものが分かるからです。

「評価が納得できない」と書いたつもりが、読み返すと「評価の理由を説明してもらえないこと」が本題だった、ということがあります。後者なら、辞めなくても解決する余地があります。

手続きは、就業規則を見てから逆算する

退職の申し出時期は、多くの会社が就業規則で定めています。1か月前、あるいは2か月前としている例が一般的です。

管理職の場合、引き継ぎの範囲が広く、期間も長めに見積もる必要があります。残っている有給休暇の日数も含めて、最終出社日から逆算して計画を立ててください。

管理職を辞めるべき?いま決めないほうがいいサイン

次のいずれかに当てはまる場合、管理職を辞めるかどうかの判断は先送りにしたほうが安全です。

  • 眠れない、食べられない状態が2週間以上続いている
  • 休日も仕事のことが頭から離れず、回復した感覚がない
  • 以前は普通にできていた作業に、時間がかかるようになった

消耗しているときは、選択肢が実際より少なく見えます。この状態で下した決断は、回復したあとに見え方が変わることが少なくありません。まず状態を戻し、それから決める。この順番を守るだけで、選択の質は上がります。

体調面の不安がある場合は、産業医や医療機関に相談してください。この記事は状況を整理するための参考情報であり、医学的な判断を示すものではありません。

相談先としては、厚生労働省が運営する「こころの耳」に、働く人向けの電話・SNS・メール窓口があります。無料で利用できます。職場の待遇や退職に関する相談なら、各都道府県の労働局が設置する総合労働相談コーナーも無料です。

もう少し継続的に話したい場合は、カウンセリングという手もあります。国内最大級のオンラインカウンセリングサービス【Kimochi】 のように、オンラインで予約できるサービスも増えました。まずは無料の窓口から試して、必要に応じて検討するので十分です。

あわせて読みたいマネージャーを続けるメリットはある?継続すべきか迷ったら続けるメリットと、継続の判断基準をまとめています。

管理職を辞めたい時にやらないほうがいいこと

  • 退職の意思を、勢いで口にする
  • 辞めたい理由を上司にだけ相談する
  • 次を決めないまま、消耗した状態で退職日だけ決める
  • 辞めたい気持ちを誰にも言わないまま抱え続ける

2つ目は見落とされがちです。上司には、あなたを引き止める動機と、送り出す動機の両方があります。どちらに転んでも、あなたの利益とは一致しません。社外にも一人、利害の重ならない相談先を持つと良いでしょう。

まとめ

「辞めたい」と感じたとき、最初にやることは辞め方を調べることではありません。何を辞めたいのかを切り分けることです。

役割が合わないなら、役職を降りる制度を確認する。環境が合わないなら、外の条件を知ってから決める。消耗しているなら、判断そのものを保留する。対象が違えば、打ち手も変わります。

調査では、孤独感の高い管理職ほど続ける意思が下がっていました。逆に言えば、話せる相手が一人いるだけで、見え方が変わる余地があるということでもあります。決める前に、一度誰かに話してみてください。

出典

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