「管理職のストレスが限界」と感じたら…限界のサインと原因、今日からの対策

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もう疲れた、ストレスの限界……

そんな風に悩んでいる管理職の方。ストレスが限界に近づくのは、仕事の負荷に対して、休んで回復する時間が足りない状態が長く続いたときだと思います。

「限界」と感じている時点で、本人の気合いや能力で乗り切れる段階は、もうとっくに過ぎているはずです。限界のサインが出ているなら、まず休む時間を確保し、一人で抱え込まずに話せる相手を持つところから始めてください。仕事の量を減らす相談や、会社の制度を使うのはその次です。

管理職がストレスの限界を感じるサインや原因、対策法などを紹介するので、参考にしてください。

管理職のストレスが限界に近いときのサイン

ストレスが限界に近いと、心と体と行動のそれぞれに変化が出ます。厚生労働省のこころの耳では、ストレスへの気づきとして次のような変化を挙げています。

  • こころの面:憂うつな気分が続く、イライラや不安が強くなる、やる気が出ない。
  • 体の面:寝つきが悪い、朝早く目が覚める、食欲がなくなる、動悸がする。
  • 行動の面:人と関わるのを避ける、お酒やたばこの量が増える、身だしなみに気が回らなくなる。

管理職の場合、仕事の場面にも次のような変化が出ます。

  • 会議の内容が頭に入らない
  • メールの返信を何度も後回しにする
  • 部下の相談に以前より短く答えてしまう
  • 1on1の時間が憂鬱

見極めの目安は、休日に休んで戻るかどうかです。週末をはさんでも元の状態に戻らないなら、疲れが回復の量を上回っている可能性が高いです。「まだ大丈夫」と自分だけで結論を出さず、休むための手を打ってください。

あわせて読みたい「管理職はもう無理」と感じたら|3つの段階に分けて、いま何をするかを決める「もう無理」と感じている段階ごとの対処は、こちらで整理しています。

管理職のストレスが限界まで溜まる原因

管理職のストレスが限界まで溜まるのは、負荷が下がるタイミングがないまま、回復に使う時間と相談できる先が少しずつ削られていくからです。

厚生労働省の令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)では、仕事や職業生活で強いストレスを感じている労働者のうち、その内容に「仕事の量」を挙げた人が43.2%で最も多く、「仕事の失敗、責任の発生等」が36.2%で続きました。管理職は、この2つを同時に抱えやすい立場にいます。

1. 仕事の量と責任が、同時に積み上がる

管理職になると、自分の担当業務に加えて、チームの成果と部下の状態にも責任を持つことになります。

担当者のころは、繁忙期が終われば仕事の量が落ち着きました。しかし管理職の仕事の場合は、案件が終わっても次の目標設定や評価面談、採用の調整が続きます。負荷が下がる時期が来ないため、疲れを抜く機会がないまま次の山を迎えてしまいます。

2. 回復に使う時間が削られている

労働基準法上の管理監督者にあたる場合、労働時間・休憩・休日の規定が適用されません。時間の上限で仕事が止まらないので、残った作業を夜や休日に片づける働き方になりやすい立場です。

夜に部下からの連絡を確認する、休日に翌週の資料を作る……そんな時間が積み重なると、睡眠と休息の時間が短くなります。疲れが抜けない状態で翌週を迎えることになり、ストレスへの耐性も下がっていきます。

3. 自分の不調に気づきにくい

管理職は、部下の顔色や残業時間には気を配っていても、自分の状態を確認する機会がほとんどありません。

「責任者が休むわけにはいかない」「弱音を見せると部下が不安になる」と考えて、疲れを後回しにする人も多いはずです。周りから見えないところで不調が進み、気づいたときには限界に近づいているというのが、管理職によく起きる経過です。

4. 相談できる先が少ない

同じ労働安全衛生調査では、ストレスについて相談できる相手として「上司」を挙げた人が65.7%いました。管理職にとって、その上司は業務の指示を出し、評価をする立場の人です。

自分の評価に関わる相手に「もう限界です」と打ち明けるのは、簡単ではありません。同僚の管理職もそれぞれに忙しく、話す相手が見つからないまま一人で抱え込むことになります。

この4つに共通するのは、負荷が増える仕組みはあるのに、負荷を下ろす仕組みを使えていない点です。ストレスが限界まで溜まったのは、本人の弱さが原因ではありません。

管理職のストレスが限界のときに、まずやること

限界のサインが出ているときは、仕事の改善策を考えるより先に、休むことと話すことを優先してください。順番は次の3つです。

1. 休む日を先に決める

まずは、予定表に、仕事を入れない日を先に書き込みましょう。年次有給休暇は、管理監督者にも一般の労働者と同じように認められています。

「この案件が終わってから」と待っていると、休む日はいつまでも来ません。「時間ができたら休む」のではなく、「休む予定を先に入れておく」ことが大事です。半日休でも構わないので、今週か来週のどこかに確保しましょう。

2. 相談窓口に話す

頭の中で考え続けていると、何から手をつければよいかが見えなくなります。限界のサインが出ているときこそ、話を聞いてもらえる先を使ってください。

厚生労働省のこころの耳では、働く人向けの電話相談、SNS相談、メール相談を無料で受け付けています。仕事の悩みやストレスについて相談できます。

有料のサービスでは、国内最大級のオンラインカウンセリングサービス【Kimochi】 のようなオンラインカウンセリングもあります。自宅から予約して話せるので、仕事の合間に時間を取りやすい点が利点です。

3. 仕事を一時的に手放す

上司には、状況の共有として伝えます。「体調が戻らず、今の業務量を続けると支障が出そうです。このうち、どれを止めるか、誰に渡すかを決めたい」という伝え方です。

手放す仕事の候補は、次の3つに分けて書き出してから話すと、上司も判断しやすくなります。

  • 期限を延ばせる仕事
  • 部下に任せられる仕事
  • 止めても影響が小さい仕事
あわせて読みたい「管理職だから休めない」は本当か?休めない5つの理由と休むための具体策管理職が休めない理由と、休むための具体策はこちら。

管理職のストレスが限界のときに使える会社の制度

会社には、管理職が負荷を下げたり、長く休んだりするときに使える制度があります。管理職だから使えないということはありません。

労働時間の記録を確認する

会社には、管理監督者を含むすべての労働者の労働時間の状況を把握する義務があります。管理職であっても、自分がどれだけ働いているかは会社の記録に残っているはずです。

人事に自分の労働時間の記録を確認し、直近の数か月でどれだけ増えているかを把握してください。業務量を減らす相談をするときに、感覚ではなく記録をもとに話せます。

ストレスチェックの結果を確認する

労働者50人以上の事業場では、年に1回のストレスチェックの実施が会社に義務づけられています。法改正により、50人未満の事業場でも令和10年4月1日から実施が義務になります。

結果は本人に通知されるので、前回と比べて変化がないかを確認してください。高ストレスと判定されたときに会社が用意している支援の内容は、人事や衛生管理の担当者に問い合わせると分かります。

休職と傷病手当金

短い休みでは回復しない場合は、休職制度を確認します。休職できる期間や手続きは会社の就業規則で決まっているので、人事に確認してください。

会社員が加入する健康保険には、病気で働けない期間の収入を支える傷病手当金があります。協会けんぽの場合、支給の条件と内容は次のとおりです。

  • 支給の条件:業務外の病気やけがで働けず、連続する3日間を含めて4日以上仕事を休んだこと。4日目から支給されます。
  • 支給額:1日あたり、支給開始日以前12か月間の標準報酬月額の平均を30で割った額の3分の2。
  • 支給期間:支給を開始した日から通算して1年6か月。

収入がゼロになるわけではないと分かっているだけでも、休む判断はしやすくなります。

管理職のストレスを限界まで溜めないための対策

体調が落ち着いてきたら、同じ状態に戻らないように、負荷の受け方を見直します。

回復の時間を予定として確保する

睡眠や休日は、空いた時間に入れるのをやめ、先に確保する予定として扱います。平日の夜に連絡を確認しない時間帯を決める、休日の業務連絡は月曜にまとめて返す、といったルールをチームに伝えておくと守りやすくなります。

相談先を社外にも持っておく

上司や同僚に話しにくいことは、評価に関わらない社外の相手に話すほうが、頭の中を整理しやすいものです。限界に近づく前から相談先を決めておくと、不調のサインが出たときにすぐ使えます。

職場の負荷が変わらないなら、環境を変える

人員の補充を何度も求めても通らない、休みを取ると評価が下がる、という職場では、本人の工夫で負荷を下げるのにも限りがあるでしょう。

体調が回復し、落ち着いて考えられる状態になってから、職場を変える選択肢も検討してください。現状の職場に満足できていないなら、新しい環境に変えてみるのも一つです。30・40代管理職・専門職のグローバルキャリアを拓く転職エージェント【Samurai Job】 では、30代・40代の管理職・専門職向けの求人を扱っています。働き方や任される範囲の条件から、次の職場を探せます。

あわせて読みたい管理職のストレスの原因と対策|統計で見る5つの要因と減らし方管理職のストレスの原因と、日常的に減らす方法はこちら。

まとめ

管理職のストレスが限界に近づくのは、負荷が下がらないまま、回復の時間と相談先が削られていくからです。限界まで溜まる原因は、次の4つでした。

  • 仕事の量と責任が、同時に積み上がる
  • 回復に使う時間が削られている
  • 自分の不調に気づきにくい
  • 相談できる先が少ない

限界のサインが出ているときにやることは、次の3つです。

  • 休む日を先に決める
  • 相談窓口に話す
  • 仕事を一時的に手放す

労働時間の記録の確認、ストレスチェックの結果の確認、休職と傷病手当金といった制度は、管理職も使えます。

今日できることを1つ選ぶなら、今週か来週の予定表に、仕事を入れない半日を書き込んでください。

出典

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